
登記承諾書には、印鑑証明書を添付しなければなりません。
外国在住の日本人の印鑑証明書ってどうすればよいのでしょうか?



外国在住の日本人が一時帰国したときに、「日本の」公証人の面前で署名し認証を受けることで、印鑑証明書の代わりにできますか?



できる と思います。



下記引用文では、所有権の登記名義人が登記義務者となる場合について、印鑑証明書の代わりに日本の公証人による認証を得ることで印鑑証明書に代替できるとしています。
当該印鑑証明書は、登記承諾書に添付する印鑑証明書と添付する趣旨は異なりますが、同様に解しても問題ないと考えます。



もっとも、
心配な方は、担当登記官と調整をお願いします!
改訂 渉外不動産登記(著者 藤原勇喜)P148
外国在住の日本人が一時帰国中にその所有不動産を処分して登記を申請する場合に、印鑑証明書にかえて本人の署名及び拇印に相違ない旨の日本公証人の署名証明書を添付して申請することができるか否かについては、かつて先例は消極に解した(注12)が、現在は積極に解している(注13)。これは、日本の公証人作成の委任公正証書により登記申請人の意思は確認できること、在外居住者は本邦内にある間であっても印鑑証明制度を利用できないこと、すでに外国公証人による証明を認めていること、などの理由によるものと考えられる。
注12 昭和36,10、25民甲2194民事局指示(参考先例13)
注13 昭和58、5、18民三第3039民事局第三課長依命回答(参考先例14)。日本国内に住所を有していない者が、本邦内にある場合に日本の公証人がその者の委任行為を公証することができることについては特に問題はないと考えられるが、この場合の本人確認の方法は、公証人法第28条2項の印鑑証明書の提出によることができないので、パスポート、身分証明書などにより行うことになろう。
上記「注12」について〜登記研究254 P63
[49] 在外日本人が一時帰国中に印鑑証明書にかえて日本公証人の署名証明書を添付することの可否
外国在住の日本人が、一時帰国中にその所有不動産を処分して登記を申請する場合、印鑑証明書にかえて、本人の署名拇印に相違ない旨の日本公証人の署名証明書を添付することはできない。
(宇都宮・決議、昭和36・10・25民事甲第2194号、登記研究171号62頁)
上記「注13」について〜(昭和58年5月18日民三第三、039号民事局第三課長依命回答(昭和55年3月18日第二東京弁護士会会長照会))
弁護士法第23条の2に基づく照会について
(在外日本人の委任行為の公証)
甲は、日本国民であるが、現在メキシコに在住し、日本国内に居住地を有しないものである。このため不動産移転登記をする場合、印鑑証明書の交付を受けることが出来ず、メキシコの日本大使館において、本人の署名捺印である旨の証明をうけるしかない。
しかし右甲は、日本国に帰省する機会がある。この機会をとらえて不動産の所有権移転登記を済ませたいと考えている。
① この場合日本国内の公証人が、右甲の委任行為を公証することが出来るか。
② 右委任の公正証書をもって、不動産所有権移転の登記手続をすることが出来るか。
(依命回答) 昭和58年3月18日付け登第79の1085号をもって法務省民事局長あて照会のあった標記の件については、いずれも貴見のとおりと考えます。
昭和33年8月27日民事甲第1738号民事局長心得通達(昭和33年7月30日日本司法書士会連合会理事長照会)
外国在住の日本人が登記義務者として登記を申請する場合の委任状について
標記に関し、別紙甲号のとおり日本司法書士会連合会理事長から照会があり、別紙乙号のとおり回答したので、この旨貴管下登記官吏に周知方しかるべく取り計らわれたい。
(別紙甲号)
アメリカ合衆国人と婚姻し、現にアメリカに居住し、その市民権を得ている(日本国籍はまだ離脱していない)者が、登記義務者として所有権移転登記を代理人によって申請する場合、申請書に、本人が署名した委任状を添付し、右の署名は本人の署名であり、かつ、自己の面前において宣誓した現地公証人の証明を得ておれば、領事その他の日本の出先機関の同様の証明又は委任状における押印ないしその印鑑の証明がなくても、当該登記の申請は、受理されるものと思料いたしますが、いかがでしょうか。
(別紙乙号)
本年7月30日付日司連発第14号でご照会のあった標記の件については、御申越のごとく、申請書に、登記義務者本人が署名した委任状のほか、アメリカ合衆国の公証人(notary public)の面前において右の者が行った自己の署名に関する宣誓口述を証する書面(affidavit、当該公証人の署名に係るもの)が添付されている場合には、登記官吏において、右の委任状及び宣誓口述書における署名につき、その同一性を確認し得る限り(ただし、委任状(power of attorney)自体に、直接公証人において、その委任事項及び署名の真正である旨を証明し、その認証のための印章(seal)が押印されているものについては、同一性確認の問題は生じない。)、所問の登記申請について適用されるべき不動産登記法第35条第1項第5号及び同法施行細則第42条第1項の規定の要件は充たされたものとして、貴見のとおり、取り扱ってさしつかえないものと考えます。なお、右の書面をはじめ、外国文字をもって表示された書面については、その訳文を記載した書面をも添付するものが相当であるから、念のため申し添えます。
コメント