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「相続関係説明図を添付した場合、還付される書類は何ですか?」〜戸籍の原本還付

相続関係説明図を添付した場合、還付される書類は何ですか?

相続関係説明図を添付すると、戸籍謄本(抄本)・除籍謄本のみ還付されます。

「法務省民二第457号平成17年2月25日法務省民事局長通達」において、次のように記載されています。

7 原本還付の取扱い 相続による権利の移転の登記等における添付書面の原本の還付を請求する場合において、いわゆる相続関係説明図が提出されたときは、登記原因証明情報のうち、戸籍謄本又は抄本及び除籍謄本に限り、当該相続関係説明図をこれらの書面の謄本として取り扱って差し支えない。

つまり、相続関係説明図を添付したときは、「戸籍謄本又は抄本及び除籍謄本」を原本還付してくれます。

目次

Q1 「戸籍謄本又は抄本及び除籍謄本」をコピーし、原本と相違ない旨を記載し署名(記名)押印して提出する必要はないの?

A1 ありません。
   相続関係説明図を添付すれば、「戸籍謄本又は抄本及び除籍謄本」のコピーは添付されたもの
   と扱われます。

Q2  被相続人の最後の住所を証する「戸籍の附票」も相続関係説明図を添付することにより、コピーは添付されたものとして扱われますか?

A2 扱われません。
  通達は、「戸籍謄本又は抄本及び除籍謄本に限り」としており、戸籍の附票は含まれていませ
  ん。よって、戸籍の附票を原本還付したいときは、コピー(原本と相違ない旨を記載し署名
  (記名)押印したもの)を提出する必要があります。

Q3 「住民票」もQ2と同様の扱いですか?

A3  同様の扱いです。
  コピー(原本と相違ない旨を記載し署名(記名)押印したもの)を提出する必要があります。

不登規55
(添付書面の原本の還付請求)
第五十五条 書面申請をした申請人は、申請書の添付書面(磁気ディスクを除く。)の原本の還付を請求することができる。ただし、(ただし以下省略)
 前項本文の規定により原本の還付を請求する申請人は、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければならない。
(以下省略)

登記研究726p80〜

ところで、新法においては、原則として、登記原因証明情報が必須の添付情報とされ(登記原因証明情報の内容については、別途、項を改めて解説する。)、登記完了後は申請書類つづり込み帳に申請書とつづり込んで、30年間登記所に保管し、利害関係を有する者の閲覧に供する(法121条2項)こととされており、後日の紛争防止や物件の調査の手掛かりになるが、旧法における「相続関係説明図」を特別受益証明書の証明書、遺産分割協議書等の謄本に代える原本還付の取扱いは、原則として、登記原因証明情報を必須の添付情報とする新法の趣旨に沿わないことになる。
そこで、新法下においては、「相続関係説明図」についての取扱いを見直し、戸籍の謄本又は抄本及び除籍謄本についてのみ「相続関係説明図」をもって申請人が作成すべき謄本に代えることができることとし、その他の書面について原本還付の請求をするときは、原則どおり、申請人において、還付を求める書面の謄本を作成して提出することを必要とする取扱いとされたものである。
これは、後日、相続関係について紛争が生じた場合に、戸籍の謄本又は抄本及び除籍謄本については、作成者が市区町村長であり、かつ、原本が長期に保存されていることから、相続関係説明図をもってこれらの書面の謄本として取り扱っても、後日に同じ書面を収集することができることから、どのような書面が提出されたかを確認することができるが、その他の特別受益者の証明書、遺産分割協議書等の書面については、作成者が私人であることなどにより、これらを登記所に保管しておかなければ、どのような書面が提出されていたかを確認することができないことによるものと考えられる(前掲平成16年改正不動産登記法と登記実務(解説編)394頁)。

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