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「被相続人の最後の住所と登記簿上の住所が異なります。名変登記が必要ですよね?」〜同一性を証する書面[1]

市が買取した土地の所有権移転登記の前提として、相続による所有権移転登記(代位による相続登記)をする場面は多々あると思います。
次の事例を考えてみましょう。

登記記録:         くまのみ市1番地 A
被相続人Aの死亡時の住所: くまのみ市200番地

相続人Bは相続による所有権移転登記をしようと考えている。
1件目で、被相続人Aの住所変更について名変登記をしなければならないのでしょうか?

目次

被相続人の住所変更登記(名変登記)は省略できます

登記名義人の登記記録上の住所と現住所が異なる場合には、通常、名変登記が必要となります。

しかし、相続登記の場合は、名変登記を省略できます。すなわち、被相続人の登記記録上の住所と最後の住所が同一であることを証する書面を添付すれば、直ちに相続による所有権移転登記を嘱託することができます。

戸籍謄本に記載されているのは「本籍」と「氏名」であり、登記記録は「住所」と「氏名」であることから、登記記録上の登記名義人が被相続人と同一人物であることを証明することにより直ちに相続登記ができる取り扱いになっています。

なぜ、名変登記を省略できるのか?について理由を探してみましたが・・・
明治33年4月28日民刑414
単独申請であり登記義務者ではないので・・・。
条文上の根拠はないようですが、省略する取り扱いは当然に行われています。

同一性を証する書面とは?

通常、住民票の除票または戸籍の附票を添付することで同一性を立証します。

具体的には、
「本籍及び登記記録上の住所が記載されている」住⺠票の除票
or
「登記記録上の住所が記載されている」戸籍の附票   を添付します。

保存期間の延長

住民基本台帳法の一部改正(令和元年6月20日施行)により、住民票の除票及び戸籍の附票の除票の保存期間が5年間より150年間に延長されました。
ただし、すでに保存期間を経過してしまっているもの(平成26年6月19日以前に消除または改製したもの)については、廃棄している可能性が高いので各自治体に問い合わせてください。

次の記事では、同一性を証する書面ついて、再度考えてみたいと思います。

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