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戸籍等、遺産分割協議書、相続関係説明図の援用について

ざっくり言うと、
戸籍等、遺産分割協議書は援用できる
相続関係説明図は、記載事項が同じなら援用できる

目次

登記研究728p70〜

質疑応答22(本誌143号48頁)

遺産分割協議により、甲乙が同時に各別に相続登記を申請する場合には添付書面の援用は認められない。

この取扱いは改められています。下記解説参照。

質疑応答23(本誌420号121頁)

甲から乙、乙から丙へと順次相続が行われている場合において、甲名義の不動産と乙名義の不動産について丙が相続登記を連件で申請するときに、甲名義の不動産についてする相続登記の登記申請書に添付した相続関係説明図を、乙名義の不動産についてする相続の登記の登記申請書に援用することはできない。

被相続人甲と被相続人乙、被相続人の表示が異なるので、相続関係説明図を援用できません。

質疑応答26(本誌161号47頁)

遺産分割により相続人に各別に帰属した不動産について相続登記を申請する場合に、前件に添付した遺産分割書を同時提出の他の相続登記に援用することができる。

一つの遺産分割協議書に各相続人の誰が何を相続するのかが記載されている場合、各申請書に遺産分割協議書のコピーを添付してもその内容は同一であるから、コピーではなく援用できるようにしたほが申請人の負担軽減になる。

質疑応答27(本誌164号46頁)

遺産分割の協議により、相続人甲は不動産Aを、乙はBを、丙はCをそれぞれ相続し、右の三名が同時に相続登記を申請する場合、右の相続関係を証する書面を最初の申請に添付し、あと二個の申請に便宜これを援用することができる。

同上。

添付書類の援用〜チェックポイント③〜[4] 】で下記のように説明しました。
「法令上の添付する文書が同一であることが援用の要件(チェックポイント③)となりますが、登記研究514にあるように具体的に「誰のための」書類として添付したのかまで考える必要があります。」

本件について考えてみると
1件目はAのために添付したものであるので、2件目のBのため・3件目のCのために援用はできないとなります。しかし、申請人の負担軽減を考え「便宜」的に援用できるとしています。

質疑応答28(本誌250号70頁)

同時に数個の相続登記を申請する場合、申請書に添付した相続関係説明図により相続関係が明らかであるときは、相続関係説明図を前件に添付し、他の申請書にはその旨を付記して援用してよい。

記載事項が同じなら、援用できる。

上記質疑応答の解説 登記研究728p72〜

(4)相続証明書に関すること
 相続の登記には、戸籍若しくは除籍の謄抄本、遺産分割協議書等の登記原因証明情報(旧法における相続を証する書面)のほか、相続関係説明図、遺産分割協議書に添付する印鑑証明書等の添付が必要となる。そこで、これらの添付書面についても援用が認められるか否かが問題となる。
 相続財産に複数の不動産があり、各相続人がそれぞれの不動産を単独で相続する旨の遺産分割協議がされた場合において、登記実務においては、従来、添付書面の援用が認められないものとされていた(質疑応答22)。しかしながら、遺産分割協議書は、相続人全員によって作成されたものであることから、いずれの申請人もその遺産分割協議書の作成名義人の一人であること、及び戸籍等については、多くのしかも分量のある書面になることが多いことなどを考慮すると、各相続人への相続を原因とする所有権の移転の登記が同時に(連件で)申請されたときは、各申請の申請は異なるものの、いずれか一つの申請に、各相続人がそれぞれの不動産を単独で相続する旨の遺産分割協議書(登記原因証明情報の一部)を添付し、他の申請については、これを援用しても差し支えないものと考えられる(質疑応答26・質疑応答27)。
 また、一の申請書に添付した相続関係説明図により数個の申請の相続関係が明らかであるときは、その援用が認められる(質疑応答28)。ただし、遺産分割の協議によって申請目的の不動産を取得する者については「相」と、また、申請目的の不動産を取得しない者については「分割」と、それぞれ括弧書き又は◯で囲んで記載するのが、登記実務の取扱いである。したがって、同一の相続関係説明図を用いることは差し支えないが、例えば、A不動産を甲が、B不動産を乙が、C不動産を丙が、それぞれ遺産分割によって相続する場合、A不動産を目的とする登記申請書には甲「相」、乙及び丙を「分割」とする相続関係説明図を、B不動産を目的とする登記申請書には乙を「相」、甲及び丙を「分割」とする相続関係説明図を、C不動産を目的とする登記申請書には丙を「相」、甲及び乙を「分割」とする相続関係説明図を、それぞれ添付するのが相当である。
 なお、相続関係説明図には、当該相続に関するすべての者を記載すべきであり(本誌394号253頁)、相続を証する書面中、当該相続による登記をするについて必要な事項及び関係者等を、限定的に図によって明らかにしたものでなければならない。したがって、例えば、被相続人甲から乙が相続し、さらに乙から丙へと順次相続が行われている場合において、甲所有のA不動産の相続登記と、乙所有のB不動産の相続登記を連件で申請するときは、被相続人が異なる、すなわち相続関係説明図に記載すべき事項が異なることになることから、その援用は認められない(質疑応答23)。

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